FUMONIN Hikaru's Artistic Days

Web投稿などで活動するアマチュア作家・小説家で、オケなどで活動するアマチュアのチェリストです。

公募完了。そして次回作をどうしたものか?

 6月の下旬に、締め切りまで1週間くらい残して、公募へ応募しました。とりあえず、ファンタジー小説とだけ言っておきましょう。

 ですが、公募の郵便を発送した直後、身辺で慌ただしいことが相次いで発生し、早めに応募しておいてよかったと、胸をなでおろしたところです。締め切りは6月末の消印有効だったのですが、ギリギリまで粘っていたら、トラブルになっていたかと思うと、冷や汗がでます。

 とにかく、郵送してしまったら、手を離れたわけで、まな板の鯉状態です。応募した後も、ついつい原稿を見直してみてしまうのですが、誤字脱字を複数発見。複雑な気持ちです。でも、致命的な誤りではないので、なんとかなるか。

 それで、気が抜けてしまい、気付けば、もう7月も下旬です。ついては、次回作をと考えているのですが、どうしたものか?

 実は、前々から歴史小説を書いてみたいと思っていました。割り切ってしまえば、いいままでの作品は、練習です。カッコよく言えば「習作」ですね。

 私の読書歴は、高校生のころに、推理小説にはまったことに始まり、その後中国物を中心とした歴史小説にはまりました。そのきっかけは、田中芳樹先生の「銀河英雄伝説」を読んだことにあります。そのとき、先生は絶対に中国の歴史が好きなんだろうなあと痛切に感じ、ならば中国の歴史ものも読んでみようと思いました。その後、田中先生は、中国の歴史ものも書かれているので、それは当たっていたわけです。

 とりあえずは、定番の吉川英治先生の「三国志」を読みました。

www.shinchosha.co.jp

 日本人は、三国志大好きだし、あらためて、三国志にまつわることわざなどの多さを実感しました。「死せる孔明、生ける仲達を走らす」とか、「泣いて馬謖を斬る」とか、あるわあるわ。出典を知らずに使っていた言葉もありました。どんだけ、三国志が好きなんだよ、日本人! という感じです。

 客観的に長期的・歴史的な目で見て、東アジアでは、日本は辺境国であり、文明の中心は中国でした。江戸時代まで、日本人は中国の文明に憧れ、取り入れてきたのですから、無理もないことなのかもしれません。ただ、中国から取り入れた思想や制度は、日本的に変容していて、盲目的な模倣でないことは確かです。

 その後、陳舜臣先生や宮城谷昌光先生の小説を乱読しました。

 中国の歴史を俯瞰するのに役立ったのが、陳舜臣先生の「十八史略」ですね。

bookclub.kodansha.co.jp

 これは、歴史小説を読んでいく基礎を身に着けるのに、とても役立ちました。でも、残念ながら、ここで書かれているのは南宋までなんですよね。その後の、明、清などが書かれていない。この時代は、西洋列強の影などもあり、中国の伝統的な価値観が通用しなくなっていく時代。様々な要因があって、ぐちゃぐちゃな感じの歴史は、実は結構好きだったりします。

 東アジアの歴史は、五胡十六国の時代など、乱れた時期もありますが、統一王朝一強の時代が長いですよね。

 対して、ヨーロッパは、ローマ帝国の崩壊以降は、一強と言える国は実現しない。キリスト教国どうしも争うし、政教分離が確立しないうちは、教会の権威が大きな要素としてあるし、異民族、異教徒との争いもある。やはり、こういう複雑な要素の絡み合った歴史は、やはり好きです。しかし、ヨーロッパを題材とした小説などは、驚くほど少ない。ローマを題材としたものがあるくらいでしょうか。

 一方で、中国の歴史ものは、多くの作家さんが扱っていて、書き尽くされた感があります。

 で、私としては、ヨーロッパを題材としたものを書いてみようかと漠然と思っていたりします。そこで、困ったのが、資料が少ないということ。日本語の資料は、通史的なものはありますが、特定の人物や時代を深堀りしたものが見当たらない。英語のものも簡単に手に入りそうにない。洋書を扱っている、日本語サイトでは、その手の本は、まず売っていないのです。最近は、外国の通販サイトでも、日本円が使えたりすることもあるようなので、探してみようかなとも思っています。でも、それはそれで一苦労なんだよなあ。

 これは、ちょっと不思議な現象かなとも思います。ヨーロッパ的な舞台のファンタジー小説などは山ほどあるというのに、ヨーロッパの歴史小説が少ないのはなぜ? 知っている人物でないと、思い入れができないということなのか? でも、中国ものも、定番の三国志関羽劉邦の話以外にも、以前は知られていなかった人物をたくさん取り上げていますよね。

 ちなみに、中国の歴史小説を読む資料的なもので、もうひとつ気にいっているのは、田中芳樹先生の「中国武将列伝」です。

www.chuko.co.jp

 この本で、こんな人物がいるんだ、ということを勉強させていだだきました。

 これのヨーロッパ版はないものかと思うのですが、私が知らないだけでしょうか?

 

 といいつつ、実は書きかけの作品があります。

kakuyomu.jp

 もともと、連作短編として考えていたものですが、ちょっと停滞ぎみ。舞台は日本で、真言密教をメインとしたローファンタジーです。おぼろげな、全体のあらすじの構想はあることはあります。

 当初、「小説家になろう」に掲載していたのですが、「カクヨム」に引っ越しして、不定期更新の長編風の感じにして、全体タイトルも「哪吒(ナージャ) ~やんちゃな風雲児を解き放ってしまった女子高生の厄難~」と付け直しました。「なろう」には、シリーズ設定というものがあるのですが、設定してもシリーズものだということが全く理解してもらえていない感じなんですよね。

 「哪吒(ナージャ)」は、毘沙門天の息子ですが、アジア諸国では人気者です。「封神演義」でも取り上げられていて、これはアニメ化もしたので、知っている人は知っている。ですが、日本ではマイナーな存在です。

 この作品は、彼を登場させつつ、主人公は真言宗のお寺の女子高生という設定です。それだけを見ると、高橋留美子先生の「犬夜叉」に近い感じですね。私は、マイナーな短編まで買い漁るほど、高橋先生の大ファンでもあります。

 この後、犬夜叉でいう「奈落」みたいなボスキャラも登場させようかなとも思っています。でも、主人公がまだ成長途上なので、まずは、その存在をサジェスチョンするところからですね。

 こちらの作品。まだまだ導入部で止まっていますが、是非お読みいただけると嬉しいです。ついでに、評価などいただけると、作者のモチベーションも高まります。続きが、早く書けるかも。