FUMONIN Hikaru's Artistic Days

Web投稿などで活動するアマチュア作家・小説家で、オケなどで活動するアマチュアのチェリストです。

チェリスト、彷徨する

 先週の日曜日。オケの練習がありました。

 私の家は、東京の南部にあるのですが、いくつかある定番の練習場所は、なぜか北部が多い。結果、そのための交通費も、バカにならなかったりします。アマオケをやっていると、本番会場や練習場所の使用料、指揮者やトレーナーの先生への謝礼、その他活動に必要な諸雑費に加え、楽器の維持に必要な消耗品費もあり、トータルでかなりの出費です。でも、好きでやっていることですからね。

 初めての練習場所のときは、スマホのナビが頼り。ですが、実は、最短経路じゃなかったり、妙な小道を通ったりと、全面的には信頼できない。

 今回は、湯島天神のすぐ近く。ここも、ナビでは、最短経路がわからなかったのですが、実は、最短経路はとんでもない坂道を通るのです。 

 最近、改修工事が行われて、手すりもついて、きれいになり、中央部に踊り場も作られたので、通りやすくはなりました。改修前は、古めかしい急階段で、チェロを背負って通るのは、少し怖かったです。

実盛坂

 なぜ、このような道が残っているかというと、「実盛さねもり坂」という名前があり、それなりに由緒があったらしいです。

 東京は、道路も舗装されているし、建物で覆い尽くされているので、地形がとても分かりずらい。こういう急な坂をみるとアップダウンがあるのが、よくわかります。

 よく言われるのが「谷」が付いている地名のところは、文字どおり低い場所だということ。

 私の家の近辺だと、「渋谷」は、その一例で、山手線と国道246号線が交差する高架下は、豪雨が降るといつも浸水して水浸しになっています。それが明確なのが、地下鉄銀座線の渋谷駅が、地上3階にあるということ。これは、銀座線がわざわざ坂を上っているのではなく、渋谷が低いので、高低差を維持すると3階に着いてしまうのです。銀座線は最も古い地下鉄の一つなので、技術的にそれしかできなかったのでしょう。

 これは、東京初心者にとっては、大きな落とし穴ですね。普通は、想像できないですから。一方、渋谷を通っている地下鉄半蔵門線副都心線へ乗り入れることになった東急線の駅は、地下2階にあります。地下鉄の経路図を見ると、渋谷で銀座線から半蔵門線に乗り換えができることになっています。それは間違いではないのですが、地上3階から地下2階へ延々と下ることになり、とても大変なのです。乗り換えるなら、一駅前の表参道で乗り換えれば、同じホームで乗り換えができるので、知っているかいないかで、雲泥の差があります。

 といっても、それは広い関東平野でのこと。高低差といっても、たかだか数十m程度のことです。

 スタジオジブリの映画「コクリコ坂」のモデルとされている「いろは阪」は典型的だと思われますが、この高低差はちょっとした川により地形が削られた河岸段丘なんですね。

tokyo-trip.org

 「いろは坂」の場合は、おそらく多摩川の支流の大乗川だろうと思います。こちらは、現在でも川としての体裁があるので、わかりやすい。

 しかし、都心部になると川が暗渠あんきょになっていて、よほど気を付けていないとわからない。でも、「いろは坂」のような場所が、あちこちにあるのです。渋谷でも、「スペイン坂」とかありますよね。

nikkan-spa.jp

 そういえば、「スペイン坂」近くにあるNHKの建物もまさに坂に面して建っていて、正面玄関がいちおう1階ですが、坂下にある西口とは、やはり相当な高低差があるのでした。昔、NHKがスポンサーの学生選抜オケの練習に、スタジオへ通ったことがあるのですが、スタッフ入り口は別なところにあって、やはり正面玄関からは下にありました。

 そのときに、職員用の食堂を利用したことがあるのですが、ちょんまげを結ったお侍さんが普通に食事をしていたりして、おかしかったのを憶えています。

 そのときの演奏は、いちおう放送されたのですが、各大学の代表1名がアップで映され、名前もテロップで表示されたのが恥ずかしかったです。トロンボーンの先輩も一緒だったのですが、譲るに譲れませんでした。