FUMONIN Hikaru's Artistic Days

Web投稿などで活動するアマチュア作家・小説家で、オケなどで活動するアマチュアのチェリストです。

さすらいのオーケストラ ハァ・・(;-ω-)=3

 今日のオケの練習は立川でした。しかも、午前中。自宅からは、直線距離では、それほどないのですが、電車の乗り換えが面倒で、けっこう微妙。

 結局、京王線経由で行くことにしたのですが、ああいう長い私鉄は、特急、急行、快速、各駅だの種類が多い。案の定、電車を間違えて、遅刻してしまいました。

 練習場所の確保は、アマオケの大きな悩みの一つ。普段使いしている練習場所はあるけれど、いつも予約できるとは限らない。結果、遠方の場所しか確保できないことも、度々あります。これが午前中だと、輪をかけて辛い。チェロを背負っての、長距離移動ならなおさらです。

 電車の中では、ヴァイオリンやチェロを持った人を何人か見かけました。あの人たちも、練習場所が遠いのかな?

 でも、立川は、まだ都内なので許せます。過去、大宮、横浜などまで、練習のため遠征したこともあります。もはや、境界を超えて隣の県です。距離的に、一番遠いのは、大宮ですが、埼京線が早いので、時間的にはなんとかなるんですね。私は、新宿から乗るのですが、ホームが変な場所にあるし、湘南新宿ラインなどと共用で、しかもホームが二つある。なので、駅の表示板をよく見ないと失敗します。

 スマホのナビアプリを使うことも多いのですが、あてにならないこともある。結局は、駅の表示板や駅の構内放送に注意を払わないと、やはり乗り間違いが起きてしまう。

 特に、初めての練習場所のときは、不安ですね。余裕をもって家を出たつもりでも、ちょっと迷っただけで時間のロスは結構なものがあります。

 立川もそうですが、郊外の町というのは、開発が進んで、大型店舗なども出店しているし、なかなかのものです。でも、そうじゃない町もある。

 高島平へ行ったときは、ちょっとビックリしました。イメージは、かなり歴史あるベッドタウンという感じ。巨大なマンションが立ち並び、壮観といえば、そうですが、ああいう巨大なマンションは生活感がないんですよね。住んでいる方には、とても失礼な感想ですが。

 そんなことを言いつつも、私の自宅周辺でも、一戸建てなどの住宅が、どんどんマンションに置き変わっています。マンションが立ち並ぶ大通りというものは、やはり好きにはなれないですね。東京の地価は、異常に高いので、そもそも親から家を相続して、維持できるのは、よほどの資産家でないと無理な状況です。相続というのは、不労所得なので、税率が高いのは道理なのかもしれませんが、このままだと、いずれは東京からナイスな感じの住宅街は姿を消してしまうのではないでしょうか。かなり、寂しい感じがします。

 今日の練習は、シューベルト交響曲第2番が中心でした。演奏会でとりあげられるのは、かなりレアな曲です。作曲したのは、なんとシューベルトが18歳のとき。その若さで、こんな曲が書けるというのは、天才なのでしょうね。

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 この曲ですが、まだ初期の曲ということもあり、伝統的なハイドンモーツアルトに似ている感じもあり、また、シューベルトが尊敬してやまないベートーヴェンを意識しているであろう部分も多々あります。

 他のプログラムで、ベートーヴェンエロイカとプロメテウスの創造物序曲をやるので、ヴェートーヴェンっぽくなりそうになるのですが、そこはやはり違う。

 ということで、どういうテイストで演奏するのが正解なのか、まだ試行錯誤中な感じですね。今日やった感じだと、あまりベートーヴェンっぽくしない方がしっくりくるかなと思いました。

 シューベルトは、この時期から、既に凝った転調をやっています。難所なのが、1楽章で、b-moll(変ロ短調:フラットが5つ)から始まってじわじわと転調するところ。b-mollから始まり、♭や♮の臨時記号が頻繁に出てきて、1小節ごとに調が変化していき、最後は変ホ長調へ。

 そもそもGes(ソ♭)というのは、滅多に出てこないので弾き慣れないし、弦楽器で一番鳴りにくい音なのです。

 幸い、ヴィオラとユニゾンではあるのですが、ヴィオラでも難しそう。ヴィオラで難しいのなら、チェロは推して知るべしというところです。

 1楽章は、ヴァイオンも苦戦しているみたいです。

 ただ、寂しいことに、聞いている分には、ぜんぜん難しそうな曲に聞こえないんですよね。

 来週はもう8月で、夏休みもあります。9月の本番まで、練習は数えるほどしかありません。そろそろ、焦らないといけないようです。

 

 

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公募完了。そして次回作をどうしたものか?

 6月の下旬に、締め切りまで1週間くらい残して、公募へ応募しました。とりあえず、ファンタジー小説とだけ言っておきましょう。

 ですが、公募の郵便を発送した直後、身辺で慌ただしいことが相次いで発生し、早めに応募しておいてよかったと、胸をなでおろしたところです。締め切りは6月末の消印有効だったのですが、ギリギリまで粘っていたら、トラブルになっていたかと思うと、冷や汗がでます。

 とにかく、郵送してしまったら、手を離れたわけで、まな板の鯉状態です。応募した後も、ついつい原稿を見直してみてしまうのですが、誤字脱字を複数発見。複雑な気持ちです。でも、致命的な誤りではないので、なんとかなるか。

 それで、気が抜けてしまい、気付けば、もう7月も下旬です。ついては、次回作をと考えているのですが、どうしたものか?

 実は、前々から歴史小説を書いてみたいと思っていました。割り切ってしまえば、いいままでの作品は、練習です。カッコよく言えば「習作」ですね。

 私の読書歴は、高校生のころに、推理小説にはまったことに始まり、その後中国物を中心とした歴史小説にはまりました。そのきっかけは、田中芳樹先生の「銀河英雄伝説」を読んだことにあります。そのとき、先生は絶対に中国の歴史が好きなんだろうなあと痛切に感じ、ならば中国の歴史ものも読んでみようと思いました。その後、田中先生は、中国の歴史ものも書かれているので、それは当たっていたわけです。

 とりあえずは、定番の吉川英治先生の「三国志」を読みました。

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 日本人は、三国志大好きだし、あらためて、三国志にまつわることわざなどの多さを実感しました。「死せる孔明、生ける仲達を走らす」とか、「泣いて馬謖を斬る」とか、あるわあるわ。出典を知らずに使っていた言葉もありました。どんだけ、三国志が好きなんだよ、日本人! という感じです。

 客観的に長期的・歴史的な目で見て、東アジアでは、日本は辺境国であり、文明の中心は中国でした。江戸時代まで、日本人は中国の文明に憧れ、取り入れてきたのですから、無理もないことなのかもしれません。ただ、中国から取り入れた思想や制度は、日本的に変容していて、盲目的な模倣でないことは確かです。

 その後、陳舜臣先生や宮城谷昌光先生の小説を乱読しました。

 中国の歴史を俯瞰するのに役立ったのが、陳舜臣先生の「十八史略」ですね。

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 これは、歴史小説を読んでいく基礎を身に着けるのに、とても役立ちました。でも、残念ながら、ここで書かれているのは南宋までなんですよね。その後の、明、清などが書かれていない。この時代は、西洋列強の影などもあり、中国の伝統的な価値観が通用しなくなっていく時代。様々な要因があって、ぐちゃぐちゃな感じの歴史は、実は結構好きだったりします。

 東アジアの歴史は、五胡十六国の時代など、乱れた時期もありますが、統一王朝一強の時代が長いですよね。

 対して、ヨーロッパは、ローマ帝国の崩壊以降は、一強と言える国は実現しない。キリスト教国どうしも争うし、政教分離が確立しないうちは、教会の権威が大きな要素としてあるし、異民族、異教徒との争いもある。やはり、こういう複雑な要素の絡み合った歴史は、やはり好きです。しかし、ヨーロッパを題材とした小説などは、驚くほど少ない。ローマを題材としたものがあるくらいでしょうか。

 一方で、中国の歴史ものは、多くの作家さんが扱っていて、書き尽くされた感があります。

 で、私としては、ヨーロッパを題材としたものを書いてみようかと漠然と思っていたりします。そこで、困ったのが、資料が少ないということ。日本語の資料は、通史的なものはありますが、特定の人物や時代を深堀りしたものが見当たらない。英語のものも簡単に手に入りそうにない。洋書を扱っている、日本語サイトでは、その手の本は、まず売っていないのです。最近は、外国の通販サイトでも、日本円が使えたりすることもあるようなので、探してみようかなとも思っています。でも、それはそれで一苦労なんだよなあ。

 これは、ちょっと不思議な現象かなとも思います。ヨーロッパ的な舞台のファンタジー小説などは山ほどあるというのに、ヨーロッパの歴史小説が少ないのはなぜ? 知っている人物でないと、思い入れができないということなのか? でも、中国ものも、定番の三国志関羽劉邦の話以外にも、以前は知られていなかった人物をたくさん取り上げていますよね。

 ちなみに、中国の歴史小説を読む資料的なもので、もうひとつ気にいっているのは、田中芳樹先生の「中国武将列伝」です。

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 この本で、こんな人物がいるんだ、ということを勉強させていだだきました。

 これのヨーロッパ版はないものかと思うのですが、私が知らないだけでしょうか?

 

 といいつつ、実は書きかけの作品があります。

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 もともと、連作短編として考えていたものですが、ちょっと停滞ぎみ。舞台は日本で、真言密教をメインとしたローファンタジーです。おぼろげな、全体のあらすじの構想はあることはあります。

 当初、「小説家になろう」に掲載していたのですが、「カクヨム」に引っ越しして、不定期更新の長編風の感じにして、全体タイトルも「哪吒(ナージャ) ~やんちゃな風雲児を解き放ってしまった女子高生の厄難~」と付け直しました。「なろう」には、シリーズ設定というものがあるのですが、設定してもシリーズものだということが全く理解してもらえていない感じなんですよね。

 「哪吒(ナージャ)」は、毘沙門天の息子ですが、アジア諸国では人気者です。「封神演義」でも取り上げられていて、これはアニメ化もしたので、知っている人は知っている。ですが、日本ではマイナーな存在です。

 この作品は、彼を登場させつつ、主人公は真言宗のお寺の女子高生という設定です。それだけを見ると、高橋留美子先生の「犬夜叉」に近い感じですね。私は、マイナーな短編まで買い漁るほど、高橋先生の大ファンでもあります。

 この後、犬夜叉でいう「奈落」みたいなボスキャラも登場させようかなとも思っています。でも、主人公がまだ成長途上なので、まずは、その存在をサジェスチョンするところからですね。

 こちらの作品。まだまだ導入部で止まっていますが、是非お読みいただけると嬉しいです。ついでに、評価などいただけると、作者のモチベーションも高まります。続きが、早く書けるかも。

ショパンとチェロのお話

 今、個人レッスンで、ショパンチェロソナタをやっています。今日、ちょうど1楽章が終わって、次回は2楽章。

 1月に発表会があって、2曲候補を用意していました。

 1曲目は、ピアソラのル・グラン・タンゴ(Le Grand Tango)。チェリストロストロポーヴィチピアソラに委嘱して作曲したチェロとピアノのための作品です。

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 ピアソラは、もともとクラッシク志望の作曲家でした。当時の世界の芸術の中心はパリ。彼は、ストラヴィンスキーへ弟子入りを願い出ますが、「君はタンゴを続けた方がいい」と断られ断念します。お隣ブラジルの作曲家、ビラ・ロボスがパリへ留学して、活躍したのと対照的です。

 といいつつ、ピアソラの作品は、ストラヴィンスキーバルトークなどのクラシック音楽のテイストを多く取り入れています。もともとのタンゴのエキゾチックな音楽に、複雑なリズムや変拍子なども使って前衛的要素もあります。そこがクラシックの音楽家にうけるところでもあるのでしょう。ピアソラにはまってCDを発売しちゃってる演奏家も多いです。かく言う、私も、その一人だったわけです。

 発表会では、結局、この曲をやりました。ですが、この曲。チェロの休みが7小節しかない。譜めくりができないので、初めて暗譜で演奏しました。

 タンゴ独特のグルーブ感もなかなか出せない。技術的にも、クラシックではポルタメント(ある音から次の音へ移る際に指を滑らせる技法)ができるだけ目立たないように弾くことが多いですが、タンゴでは、表現のために、あえてかけるなど、弾き慣れていない技法も使われていて、慣れるまでたいへんでした。

 それで、もう1曲用意していたのが、ショパンの「序奏と華麗なポロネーズ」(Introduction et polonaise brillante)Op.3。ショパンが若い時の作品です。

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 で、この曲はチェロパートが地味なので、ピアノパートと入れ替えた編曲版で演奏されることが多く、何種類かあるようです。元々、ショパンがピアノで弾くことを想定していた華麗なパッセージをチェロで弾くので、相当な難易度の高い曲です。せっかく用意していたので、発表会が終わった後は、この曲をレッスンでやりました。時間はかかりましたが、その分成長した気はします。

 ショパンチェロソナタは、昨年の夏ごろにもやっていたのですが、発表会の練習のため中断していたものを再開した形です。

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 器楽の作曲家は、ヴェートーヴェン以来の伝統なのか、いろいろなジャンルの曲を書くことが多いです。が、ショパンは、圧倒的にピアノ独奏作品ばかりですし、ショパンといえばピアノ曲の作曲家のイメージが強いです。

 そんな中で、若い時の作品ですが、チェロとピアノの二重奏を書いているのは、意外な感じがします。そのほかにも、ヴァイオン、チェロとピアノのトリオも書いています。ショパンはチェロが好きだったのではないか、という説もありますが、どうなのでしょうか? その後は、チェロが入った作品を、長い間書いていません。

 チェロソナタは、恋人のジョルジュ・サンド破局を迎えた後の最晩年の作品です。ショパンは、フランショームという名チェリストと懇意にしていました。晩年は、結核で体調も悪化するし、金銭的にも困窮したりしていたところを、フランショームに援助してもらいます。

 そのお礼というニュアンスもあって、最晩年に再び室内楽作品を書くことになったのでした。曲は、ショパンの名前で発表されていますが、彼は、チェロの演奏技術には詳しくないので、フランショームの助言もかなり入っていると推測されています。

 ショパンは、チェロとピアノによる「悪魔ロベール」の主題による大二重奏曲を書いているのですが、こちらは合作として発表されています。

 このフランショームさんですが、12のカプリースなどが、今でもチェロ用の練習曲として出版されています。チェロを学習している人間なら、名前は聞いたことがある人です。

 と、そんないきさつがあって、ショパンとチェロという意外な組み合わせが、再び実現したのでした。

 チェロという楽器ですが、独奏楽器として本格的に認知されるのは、19世紀も終わり近くになってからです。なので、ロマン派の作曲家のチェロソナタというのは、とても貴重なものです。

 あくまでもショパンの曲なので、ショパンのテイストで弾かねばと思うのですが、パッセージは、やはりショパンっぽい。つまり、ピアノ風のパッセージなので、これをチェロでショパンっぽく弾くには、どうしたらいいのだろう? 結構、悩むところです。 

 ロストロポーヴィチアルゲリッチがCDを出しているのですが、あんなにゴリゴリ弾いたらショパンじゃない、と私は思う。ショパンは、もっと繊細な人だったはずです。話は戻りますが、ロストロポーヴィチが弾いているル・グラン・タンゴも、ちょっと違うと思う。あれは、タンゴじゃない。

 そんなわけで、いろいろな録音を聴いてみるのですが、まだ決定版には出会えていないのでした。

 話は変わるのですが、ピアニストの作曲家では、ラフマニノフがやはりチェロソナタを書いています。これは偶然の一致なのか? 何か不思議な因縁を感じます。

 

 

音楽教室 子どもたちに一番人気の楽器は?

 以前にも書きましたとおり、先週の金曜日に、地方公演へ行ってきました。

 児童・生徒向けの音楽教室と夕方の一向けコンサートのダブル公演。とても疲れますが、お客様には好評で、嬉しさもひとしおというもの。クラシック音楽の知識などなくても、音楽は楽しめるのです。子どもたちや普段オーケストラの音楽に接する機会のない方々に音楽をお届けできて、団員一同、満足しております。

 平日の公演ということで、参加する団員を募るのも一苦労でした。チェロは残念ながら2プルトの4人。特にヴェートーヴェンの「運命」は、低弦が活躍する曲なので、バランス的にいつもより頑張って弾かねばと覚悟していたところ、会場ホールの響きが良くてビックリ。最近に建てられた多目的ホールなのだそうですが、こういう音響の良いホールは弦楽器にとって弾きやすい。パート内の音を揃えるのも楽でした。

 昼に行った音楽教室。定番の楽器紹介で、短く曲を演奏します。これがいつもの悩みどころ。それぞれの楽器が趣向を凝らします。正統派のクラッシクの曲をやるか、子供たちにうけそうな曲をやるか? チェロは、悩んだ末、ハウルの動く城から「人生のメリーゴーランド」をやりました。

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 たぶん、何の曲かは理解してもらえたようですが、反応はいまいち。一番うけたのは、トランペットがやった鬼滅の刃でした。やはり、現役のアニメには勝てないのかぁー。次回もあると思うので、どうするか考えます。

 そして、楽器として一番うけるのが、なんといってもコントラバス

 小学生の子どもたちは素直なので、「でッケー!」と驚きが言葉に出るのが面白い。小学生低学年の子たちからみると、身長の倍くらいの大きさです。確かに大きい。大人でも、身長の倍の大きさの楽器があったらと想像すると、気持ちもわかります。

コントラバス

 そして、よくクイズに出される問題。

コントラバスだけ、オーケストラの弦楽器の中で仲間外れです。どうしてかな?」

 子どもたちは、必死に考えます。

「弦を巻くところ(ペグ)がネジになってる」

「確かにそうなんだけど、惜しい」

コントラバスだけ、形が違う」

「大正解ーっ!」

 ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロは、ヴァイオリン属と呼ばれ、形は相似形をしています。コントラバスは、ヴィオール属の楽器で形が違います。

 一目でわかるのは、ヴァイオリン属は「いかり肩」なのに対し、コントラバスは「なで肩」なのです。

 そして、音楽教室の終了後。楽器を持って、子どもたちのお見送りをしていると、子どもたちは、コントラバスに群がってきます。チェロを含め、他の楽器は見向きもされません。大きいという意味では、チューバも大きいのですがなぜなのでしょう?

 基本的に、大きな楽器というものは、体格が良くないと、十分に音も出せません。そんなことで、チューバ奏者は、おおむねゴッツイおじさんが多い。

 コントラバスも同じく、体格が大きくないときついのですが、スマートなお兄さんや女性の奏者もいます。今回の公演では、女性のコントラバス奏者はいませんでしたが、優しそうなお兄さんたちだったので、近づきやすかったのでしょうか? 謎です。

 コントラバスには謎があって、アマオケでは、小柄な女性奏者が結構います。女には、大きなものにしがみつきたい本能的な欲求でもあるのでしょうか? 「のだめカンタービレ」でも、小柄な女性のコントラバス奏者が出てきますが、おそらく取材の成果なのではと思います。

 大きさの話をすると、ヨーロッパ発祥のものなので、楽器はヨーロピアンサイズです。一番言われるのが、ピアノ。私も、手はそれほど大きくないので、ピアノだと精一杯手を広げても9度(1オクターブと1音)しか届きません。が、ピアノ曲では、これを超える和音は珍しくもありません。手の小さな日本人は、これを分割してアルペジオで弾くしかないのです。日本人サイズのピアノも作られたりしたようですが、結局は普及していないですね。

 チェロは、ボーダーラインくらいのところの楽器です。オケの曲をやっていて、たまに出てくるのが、1オクターブの重音、又は1オクターブの跳躍です。

 低いポジションでの1オクターブの重音は、私の手で人差し指と小指を精一杯広げれば何とか届く程度。手の小さな人は無理なので、親指を指板上に出して、親指と薬指で押さえるしか方法はありません。技術的には、かなり面倒になりますが、不可能ではありません。

 1オクターブの跳躍も、隣の弦で弾く場合には同じこと。テンポがゆっくりであれば、1弦飛ばして隣の隣の弦を弾くこともできます。この選択が、悩みどころです。

 オケの曲ではありませんが、オクターブ跳躍の連続で思いつくのが、ヴェートーヴェンのチェロソナタ第2番第2楽章のラストの部分ですね。ヴェートーヴェン先生は、こういうねちっこい虐め行為が結構あるのです。

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 これを演奏しているメネセスさんは、軽々と弾いています。ビデオではよく見えませんが、少なくとも親指は使っていませんね。

 チェロのソロの曲ですと、私の手の大きさでは、演奏不能な曲もあります。ブリテン無伴奏チェロソナタの第3番では、同じ音を2弦で弾く箇所が出てくるのですが、私の手の大きさで低いポジションを弾くのは完全に不可能でした。3センチくらい足りません。そもそも、この曲は、名チェリストロストロポーヴィチと交友のあったブリテンが彼に献呈した曲なので、ロストロポーヴィチ基準で作ってあります。彼はロシア(旧ソ連)人で体格が日本人とは桁違い。私が弾けないのも、無理はないのでした。

細かいことは、忘れる ~ブラ2のお話~

 昨日、9月の定期演奏会の曲の練習がありました。しばらく、地方公演の練習をしていたので、しばらくぶりです。

 R.シュトラウスの薔薇の騎士は難しいので、練習し直して臨んだのですが、ブラームスの第2交響曲をやって、ビックリ。1カ月ちょい前に練習したことを、かなり忘れちゃってる!

 ブラームスの曲は、凝った臨時記号が多い。部分的に転調して、そこが聞いていてカッコいいところでもあるのですが、演奏していると、かなりトリッキーなので、楽譜を見ていたとしても、覚えていないと対応が難しい。

(おっと! ここは♮だった! フィンガリング、どうしてたっけ?)

 弦楽器は、二人一組でプルトを組むので、楽譜に個人的なフィンガリングは書けない。フィンガリングは、人それぞれですからね。そこが、悩みでもあります。

 でも、私は、個人の楽譜にも、ほとんどフィンガリングは書きません。フィンガリングの組み合わせは何通りも考えられるし、いろいろ試しているうちに自然と決まってくるからです。だから、練習初期の頃は、間違えることも多いです。

 戸惑いがちなのが、第2楽章。ロ長調(♯が5つ)という珍しい調性で、そもそも弾き慣れていない。中間部でテンポは変わらないものの、3連符がベースで進行し、音符が細かくなる。ここも臨時記号が多い。

(あらっ! 音が違うじゃん!)

 ♯2つに転調しているのを忘れてましたぁ。ごめんなさい🙇

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 第2楽章は、いきなりチェロのメロディーから始まる。さすがに、そこは間違いませんでしたよ。これ、実はブラームスさんお得意の強迫ズラしのリズムです。4分の4拍子の4拍目(アウフタクト)から始まっているのです。数え方も4123|4123……という感じで進行していくのですが、突然、1234に変わったりします。でも、2楽章はテンポが遅いので、ついていくのは、さほど難しくない。

 リズムが凝っているのは、1楽章ですね。強迫ズラしあり、ヘミオラ(ベースの拍子と異なる拍子感のリズムを入れ込む作曲技法)ありで、感覚的に覚え込ませないとついていけない。あとは、慣れもありますけどね。

 1楽章は4分の3拍子なので、ここに2拍子のリズムを入れこむのは、ヴェートーヴェンの第3交響曲エロイカ)に代表される典型的なヘミオラです。ブラ2の場合、この2拍子のリズムが3個セットになって、拡大された3拍子になっていたりするところが、ベートーヴェンと違うところです。

 リズム的には一番の難関なのは、強迫ズラしのリズムが、フガート風になっているところですね。

 ボーイングも結構変更があって、それも戸惑いました。ある程度練習が進まないとボーイングも決まらないです。

 うちのコンミス(女性の場合、「コンサートマスター」ではなく、「コンサートミストレス」といいます。ファーストヴァイオリンの主席奏者のことです)は、弾いてみてしっくりくるまでボーイングを変えます。でも、それをいちいち教えてはくれない。要は、見て盗めということですね。あとはヴィオラもチェロと同じ動きをすることが多いので、こちらにも合わせるし、セカンドヴァイオリンにも必要があれば合わせます。

 なので、チェロのトップ奏者は、練習の時に指揮者やコンミスばかりを見ているわけにはいかず、他のパートのボーイングにも注意をむけていなければならないので、とても大変なのです。

 コントラバスは、だいたいチェロのボーイングに合わせる感じにはなっていますが、実は仲が悪い。簡単に言うと、弓の長さが違うので、チェロでできることが、コントラバスでは難しかったりするからです。コントラバスの場合は、割り切っている場合も多くて、合わさずに独自路線をいくことも、しばしばあります。

 一方で、R.シュトラウスの薔薇の騎士ですが、div.(ディヴィジ:一つのパートをさらに分けて違う音やパッセージを弾かせること)が多い。通常、ディヴィジは、2つ程度のことが多いです。この場合、普通はプルトの表(客席に近い側の人)と裏に分かれます。このとき、パート譜に一段で書き切れないときは、2段に分けて書かれ、表が上の段、裏が下の段を弾きます。

 R.シュトラウスさんは、他の曲でもそうなのですが、div.が多く、しかも単純な表/裏よりも複雑なパターンが出てきます。

 例えば、1・2プルトとその他に分かれ、さらに1・2プルトの中で表/裏に分かれるといった感じです。私は、今回、2プルトの裏を弾きますので、このパターンのときは、上の段の下の音を弾きますが、単純な表/裏のときは、下の段を弾くといった感じで、どの段を弾くかがコロコロと変わるのです。こればかりは、慣れるしかありません。さらに細かいdiv.もあって、パート譜は最大で4段になっています。

 前のブログでも書いたとおり、R.シュトラウスさんはチェロの高音域まで酷使するので、ヘ音記号・テナー記号・ト音記号と頻繁に変わります。

 で、やってしまった。ヘ音記号のところをテナー記号と思って、一瞬だけ弾いちゃいました。5度違いなので、ハモるんですが、かってに曲を変えるのはダメ。これでは「のだめ」になっちゃいます。

 こんな話は、アマチュアならではのこと。パート譜も数小節先くらいまでしか見れていないのです。プロの方は、全然違います。職業なのですから、事前準備はきちんとやっているし、そもそもブラームスの第2交響曲などのメジャーな曲は、何十回も演奏しています。

 以前、NHK交響楽団コンサートマスターの方が、パート譜はどのあたりを見ていますか? という質問に答えていました。答えは、3段くらい先を見ています、ということでした。ほぼ暗譜しているということだし、ひとつのメロディーの全体を見渡して、どこをどう表現するのかということを見据えているということです。さらに、コンサートマスターは、指揮者はもちろん、要所要所で鍵となるパートの奏者とアイコンタクトをとりながら演奏しています。それを知ると、どんなに上手だといってもアマチュアとプロでは、天と地ほどの差があるのだと、思い知らされます。

 とはいえ、地方公演が来週に迫ってきました。それまでは、そちらに集中するとして、定期演奏会に向けては、その後に頑張ります。

 

 

第5回空色杯500文字以上の部で、拙著をご紹介いただきました

 小説大好きぺんぎん系VTuberの天野蒼空(あまのそら)様に、YouTube配信で作品をご紹介いただきました。ありがとうございました。暖かいコメントもいただけて、とても嬉しいです。

kakuyomu.jp

 「ブラ3」は、ブラームス交響曲第3番のことです。知らない人は、当然知らないわけで、あえて謎ワードをタイトルに使ってみました。

 何でも略すのが日本人の性質のようですが、実は、こういう言い方をするのはアマチュアだけなのだそうです。

 以前、プロの指揮者の方が、こういう略語には、ついていけないとボヤいていました。プロの方は、「ブラームスの第3交響曲」とか、調性を使って「ブラームスのF-dur交響曲」などと言うみたいです。

 とはいえ、わからないものはわからない。私も、「ウンチカ」と聞いたときは、さっぱりわかりませんでした。正解は、ヴェルディの「運命の力」序曲のことなのだそうです。

 

 

 

 

小説の公募は、かなり面倒くさい

 公募へ出す作品の提出〆切が、いよいよ今月末に迫ってきました。今まで、WEB上の公募へは出したことがありますが、紙で提出するのは初めてです。

 構想を考え始めてから約9カ月。とりあえず書き始めてから半年以上。だが、読み返してみると、やはり自信がない。とはいえ、構成をドラスティックに修正する時間はないので、もう観念するしかありません。

 現在、表現ぶりのチェックや誤字脱字の修正をしているところです。

 まず面倒だったのが、上限が文字数ではなく、原稿用紙換算であること。探してみたら、WEB上に原稿用紙換算ツールというものがあって、これを使っていました。しかし、精度が低い。私の癖で、ルビを結構使うので、使った分だけズレたりします。

 結局は、Wordで執筆して、その原稿用紙設定機能を使って数えることにしました。ただ、こちらだとルビを振った部分が1文字に圧縮され、少なめに見積もられますが、WEBツールよりはましです。

 今、最後の校閲作業をしていますが、PCの画面上だとどうしても、限度がありますね。Wordだと見にくいので、PDFにしてみたり、PDFをさらにKindleに読み込んでみたりしていますが、十分ではない感じ。

 最終的に、紙に印刷してチェックをしようとして驚きました。40文字×30行のA4サイズで139ページあるのですが、かなりの厚さがあってビックリです。やってみないと分からないものですね。で、やはり紙の方が断然に見やすい。印刷している際中に、早速、誤字を発見したところです。

 そして、「登場人物一覧」を初めて作りました。作りながら思ったのが、意外に時間がかかったこと。後回しにして、締め切りギリギリになったら危ないところでした。

 未着手なのが、作品概要、すなわち、あらすじです。WEB小説の場合、サイトに「あらすじ」とありますが、実際には、読んでもらうためにキャッチコピー的なことを書くのが一般的。が、公募の場合は、ネタバレなどを気にせず、本当にあらすじを書きます。

 で、おそらく審査員の方の第一印象は、タイトルとあらすじで決まるのだろうと思うと、実は、ちょっと怖い。概要を読んで、面白味がなければ、本体を読まないとかあるのでしょうか? いかにも、ありそうで怖いです。

 WEBの応募の成績は、ほぼ全滅に近いです。唯一、実績があるのが「転生ジーニアス」という作品。こちらは、カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考を通過しました。このコンテストの特徴として、中間選考は、カクヨムにおけるランキングでまず決まるようです。ですが、こちらは私が初めて書いた作品で、構成やら細かな執筆上のお作法やらができていなくて、今、読み返すと恥ずかしいです。読者様の応援があって中間選考には残りましたが、最終選考を通らなくて、当然というものです。

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 この作品。100万字近くある超長編ですが、ありがたいことに、現在でも読んでいただいています。あちこちのサイトに載せているのですが、ノベリズムで5月19日に日間1位でした。かなりビックリです。

 ちなみに、ミッドナイトノベルズにも掲載していて、ランキングはじりじりと下がりながらも99位でした。 

 ですが、おそらく両方のサイトとも、競争率がかなり低いんですよね。メジャーなサイトのランキングとは、同列に考えない方が良さそうです。

 「転生ジーニアス」については、これで終わりなの? というご感想をチラホラいただきました。今だから書きますと、この作品には歴史小説的要素があり、時代としては鎌倉時代頃のお話です。実際に、モンゴル帝国も登場します。主人公との直接対決はありませんが、フビライハーンも名前だけ登場します。ついては、日本の元寇に主人公を登場させることも、ぼんやりと構想していたのでした。なので、「転生ジーニアス2」セカントシーズンを書けと言われれば、たぶんできます。

 ですが、歴史小説には、書きたいと思っているネタが別にあるので、優先順位は限りなく低いです。