FUMONIN Hikaru's Artistic Days

Web投稿などで活動するアマチュア作家・小説家で、オケなどで活動するアマチュアのチェリストです。

何を考えているの? リヒャルト・シュトラウスさん。

 私は、アマチュアのチェロ奏者で、2つほどアマオケをかけもちしています。

 先週の日曜日。所属しているアマオケの本番が終わり、ちょっとばかり燃え尽きて、元気がでませんでした。

 次回本番は、9月。4月から早速練習が始まります。

 3曲プロですが、難曲なのは、リヒャルト・シュトラウスの「薔薇の騎士組曲」で、もちろん初めての演奏です。

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 リヒャルト・シュトラウスについては、これまであまり縁がなく、かなり前に「英雄の生涯」をやって以来。

 それで、チェロのパート譜を見て思いましたよ。

「何を考えているの? リヒャルト・シュトラウスさん」

 容赦なく、ト音記号ハイポジションの音が出てくる。英雄の生涯をやったときも、そうだった。

リヒャルト・シュトラウスさんは、チェロのことを、第三ヴァイオリンか何かだと思っている?」

 確かに、19世紀末以降の近現代の作曲家では、チェロは単なる低音ではなく、ハイポジションが出てくるのは事実。

 今回、オネゲルを演奏したときも、2点嬰トを弾かされましたよ。しかも、もろに旋律で。オケの曲でここまでは、めったに出てこない。ですが、この辺までなら、頑張ればなんとかなる範囲内。

 が、薔薇の騎士組曲では、ソロ部分ではありますが、3点嬰トの音が出くる。オケの曲は多く演奏してきましたが、これは生涯で最高記録です。はっきり言って、指版をはみ出しています。何らかの演奏効果をねらってはいるのでしょうが、あえてチェロに弾かせる意味はあるのかな?

 以前、マーラーの7番の交響曲をやったときに、3点への音が出てきて、これが最高記録でした。このときも、「マーラーさん。たいがいにしてくれよ」と思いましたが、実はホルンとユニゾンで、どんなに頑張っても聞こえない。ミスしようが、全く聞こえない部分だった。

 ですが、薔薇の騎士組曲は、静かな部分でのソロなので、聞こえちゃうんだよなあ。次回演奏会のトップは決まっていないのですが、誰が弾くことになるのかな?

 指揮者は、以前にエルガーをやったことのある方。そういえば、エルガーさんも同類で、容赦なくハイポジションが出てきたなあ。

 そして、何となくわかってしまった。

 この人は、こういう系の曲が好きなんだ。しかも、あまり演奏されていない、ニッチな曲がやりたいらしい。

 と、苦情めいたことを書き連ねつつ、実は、私も、こういう系の曲は好きです。それに、やったことのない曲にチャレンジする方が好き。ハイポジションも実は、大好きなんだよなあ。これが。

 一般的には、アマのチェロ演奏が上達してきて、大きな壁となるのが、親指を使ったハイポジション。2点ニ以上の音が出てくるとヴァイオリンのようにはいかず、親指を離さないと、単純に指が届かない。離した親指は弦の上に置く。パッセージによっては、親指で押さえて演奏をすることもある。これが、大きな壁となって、立ちはだかるわけです。

 ハイポジションを弾きなれている人は、親指にタコができます。というか、できないと指がとても痛い。いわばチェロダコですね。

 ハイポジションを弾きなれているということは、ソロソナタやコンチェルトを弾きなれているということで、アマのチェロ奏者が、そのレベルに到達しているかの目印になります。が、実際のところ、見事なチェロダコがあるアマのチェロ奏者は、あまり目にしたことはありません。たぶん、オケだと、かなりレベルの高いアマオケに偏っているのでしょうね。